人生の豊かさ | 考えすぎ

人生の豊かさ

人生全体に関わるような重要なある事柄について、もし確信があれば、

もう他人からの評価は気にならなくなる。

そこに留まるよりも、確信に基づいて進んでいく気持ちのほうが遥かに上回ってしまうから。


例えば、愛とか、理想とか、探究心とか。

周囲の制止を振り切って、その極めて個人的な道のりを走り抜けた先人たちのエピソードが

今も伝説となって語り継がれている。

人として、とても褒められたものではなかったかもしれない。

けれども、そのエピソードは、昔も今も人々を魅了して止まない。


私たちの中にも、少なからずその血が流れている。

時に、それは狂気と呼ばれることもあれば、奇跡と呼ばれることもあるが、

その評価は、あくまでも他人からのもの。

自分ではわからない。


狂気と呼ばれることを怖れて、ずっと隠れて一生暮らしていくのか、

それとも、一縷の望みに己の人生全体を賭け、

実現するかどうかもわからない奇跡に辿り着くための一歩を積み重ねていくのか。

どちらのほうが幸せかなんて、とても言えないし、わからない。


ただ、人は時々、抗い難い想いに押し出されるようにして

狂気とも奇跡ともつかない一歩を踏み出してしまうことがある。

そこでハッと我に返って引き返すのか、それとも、そのまま進むのか。

その選択も本人次第。

どれがいいとは一概に言えない。


どの選択をするにせよ、

そもそも多様な選択肢がある、ということ自体が、豊かさの現れなのだから。