「そもそも・・・」から始まる問い | 考えすぎ

「そもそも・・・」から始まる問い

「哲学」とは何だろう。


この問いについて、
多くの人たちが考え、多くの人たちが答えてきた。
けれども、その答えは人それぞれ。
中には、
「『哲学』とは何か、という問い自体が無意味である」
と言う人もいる。




でも、現に「哲学」という言葉がある。
「哲学」という言葉で、何かが言い表されているはずだし、
この言葉は日常的にも使われている。


人それぞれの意味を持つ、「哲学」という言葉。
この言葉そのものをいっぺんに定義することは難しいかもしれないが、
哲学と呼ばれるものの“共通点”なら挙げられるように思う。


哲学と呼ばれるものの“共通点”。
それは、
「問いから始まるものである」ということと、
「その問いが、『そもそも・・・』から始まる問いである」ということだ。




単に「問いから始まる」だけであれば、
方程式2x+1=7の解を問う数学や、ピラミッド建造の理由を問う歴史学、
『吾輩は猫である』の主人公に名前をつけなかった作者の意図を問う文学など、
およそ学問と呼ばれるものすべてに共通して言える。


しかし、
そもそも2x+1=7とは何を意味しているのか、
そもそもピラミッドは本当に存在しているのか、
そもそも『吾輩は猫である』の“名前の未だない猫”は本当に主人公なのか、など、
「そもそも・・・」から始まる問いを立てた時、そこから始まるのが「哲学」なのだ。




もっとも、
「そもそも・・・」と問い始めたことについて、最終的に納得のいく答えが得られれば、
その問いは解消し、同時にその哲学も終わる。
そして、代わりに思想や学問が誕生する。


古代ギリシアの哲学者として名高いデモクリトスは、
「そもそも、この世界は『原子』の組み合わさり方が変化することによって、姿を多様に変えているのではないか」
と考えた。
・・・当時、哲学として考え抜かれたその考え方も、今では原子論として自然科学の一部に組み込まれている。


また、フロイトやその弟子のユングは、
「そもそも、人間には自覚できない潜在意識や深層心理があるのではないか」
と考えた。
・・・この考え方も、後に心理学と名を変えて、一つの巨大な学問体系の礎となった。




自然科学(物理学、天文学、数学など)、人文科学(心理学、言語学など)、社会科学(法学、経済学など)、・・・。
哲学は、あらゆる学問の礎を担ってきた。


では、そもそも、「哲学」とは何だろうか。
この問いに対して納得のいく答えが出た時、あなたの哲学は、そこで終わるのだと思う。




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